受験者数が多い試験等の場合には、1つ1つの採点を人手で行っていたのでは非常に効率が悪いものです。そのため最近では自動採点が利用されることが多く、これにより採点結果を迅速に出力し入学試験等の場合には合否判定を迅速に行うことに成功していますが、これを一般の試験に導入する場合にはそのデメリットを知ることが重要なポイントとなります。自動採点のメリットは迅速に採点を行い様々な作業を効率化することができる点にあり、結果を早く導きたい場合には効果的な方法となっています。しかし一人ひとりの受験者の理解度を確認すると言う意味では、不向きな部分があることを知っておくことが重要です。
その理由は一般的には選択式の問題にする必要があり、そのために当てずっぽうでも正解してしまう確率が一定数あるためです。学校などで行われる学力テストの場合は、生徒の理解度合いを知ることが最も大きな目的であり、そのためには正確に理解していることを確認するために記述式の問題を出題することが多いものです。この場合には表現方法はそれぞれの生徒によって異なり、その内容や表現方法を含めて知識のある教師が判定をしなければなりません。この部分を選択式にしてしまうと、理解できていない生徒でも選択肢を確認することでヒントを得ることができ、本来の理解度を判定することが難しくなってしまうと言う問題があります。
自動採点を利用する際には、このようなデメリットを十分に意識することが大切です。その上で、問題によって使い分けたり、選択肢に工夫するなどといった形で効果的に利用するのが、良い方法となっています。